台風が近づいてくると、天気予報の雨雲レーダーが真っ赤に染まり、スマートフォンには警報が次々と届きます。そんなとき、ふと頭をよぎるのが「地下駐車場に停めた車は、大丈夫だろうか」という不安ではないでしょうか。
会社のビルの地下、マンションの地下、商業施設の地下。雨風をしのげて便利なはずの地下駐車場が、大雨のときには一転して「水が一気に集まる場所」へと変わります。動かすべきか、それともこのままで大丈夫か。判断に迷ったまま夜を迎え、翌朝に後悔した――そんな事態だけは避けたいものです。
結論から申し上げます。地下駐車場は、台風・大雨で水没するリスクが現実にあります。そして避難させるかどうかは「雨が降る前」に判断しておくべきものです。ただし、やみくもに怖がる必要はありません。冷静に数字で見てみましょう。この記事では、公式情報・公開データ・駐車場構造の観察をもとに、大雨前に車を避難させる判断基準を整理します。
この記事でわかること!
- 地下駐車場が水没するメカニズムと「内水氾濫」という盲点
- 駐車場タイプ別(地下・半地下・機械式など)の水没リスクの違い
- 大雨前に車を避難させるかどうかを決める具体的なチェックリスト
- 「車を取りに行ってはいけない」人命最優先の判断基準
- 水没してしまったときのNG行動と、車両保険・売却の選択肢
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この記事では、公式情報・公開データ・駐車場構造の観察をもとに、大雨前に車を避難させる判断基準を整理します。読み終えるころには、次の台風が来たときに迷わず動ける「自分なりの基準」が手に入っているはずです。
地下駐車場は台風・大雨で本当に水没するのか

まず押さえておきたい結論はこうです。地下駐車場は、構造上どうしても水が集まりやすく、大雨時には水没リスクが高い場所です。「これまで大丈夫だったから」は、残念ながら根拠になりません。
理由はシンプルで、水は高いところから低いところへ流れるからです。地下は周囲よりも低い位置にあり、地表にあふれた雨水が自然と流れ込んでいきます。普段は排水ポンプや排水溝が機能して問題が起きませんが、その処理能力を超える雨が降った瞬間に、状況は一変します。
初心者ユーザー地下って雨が当たらないから、むしろ安全なイメージがありました…。
自動車専門家 Mr.K雨そのものは当たりません。問題は「あふれた水がどこへ向かうか」です。地下は水の行き着く先になりやすい、と覚えておいてください。
地下駐車場に水が入るメカニズム
地下駐車場に水が入る経路は、主に次の3つです。
- スロープ(入口の坂)から流れ込む……地表の水が坂を滝のように下っていく
- 排水溝・マンホールからの逆流……下水の処理能力を超えると、排水口から水が噴き出す
- 換気口・建物の隙間から浸入……地表が冠水すると、わずかな開口部からも水が入る
とりわけ怖いのが、入口スロープです。スロープは地下へ車を導くための坂ですが、大雨時にはそのまま「水の通り道」になります。地表に水たまりができ始めると、その水は低いほうへ低いほうへと集まり、スロープの入口で合流して、勢いを増しながら地下へ流れ落ちていきます。
ここが意外と盲点です。多くの方は「天井まで水が来るほど降るわけがない」と考えますが、水没は天井からではなく床から始まります。タイヤが半分浸かる程度でもエンジンや電装系にダメージが及び、ドアの下端を超えれば車内に水が入り込みます。床上数十センチでも、車にとっては致命傷になり得るのです。
河川氾濫だけではない「内水氾濫」の怖さ
水害というと、多くの人が川の氾濫(外水氾濫)を思い浮かべます。しかし、地下駐車場の水没で見落とされがちなのが「内水氾濫」です。
内水氾濫とは、川があふれていなくても、下水道や排水路の処理能力を雨量が超えてしまい、地表に水があふれる現象を指します。国土交通省も、都市部では内水氾濫による被害が水害の大きな割合を占めることを公開資料で示しています。つまり、近くに大きな川がなくても、舗装された都市部であれば水没リスクはあるということです。
車購入検討者うちのマンション、近くに川がないから安心だと思っていました。
自動車専門家 Mr.Kそこが落とし穴なんです。アスファルトに覆われた街では雨水が地面に染み込みにくく、行き場を失った水が低い地下へ集中します。川の有無だけで判断しないでください。
近年は「線状降水帯」や「ゲリラ豪雨」という言葉も一般的になりました。短時間に猛烈な雨が降れば、排水が追いつかず内水氾濫が起こります。地下駐車場の水没は、特別な大水害のときだけでなく、夏の夕立のような局地的豪雨でも起こり得る――この感覚を持っておくことが第一歩です。
地下駐車場・半地下・機械式 ── 駐車場タイプ別の水没リスク

ひとくちに「地下に近い駐車場」といっても、構造によって水没リスクは大きく異なります。ここでは冷静に数字とタイプ別の特徴で見てみましょう。ご自身の駐車場がどれに当てはまるか、確認しながら読み進めてください。
| 駐車場タイプ | 水没リスク | 主な弱点 |
| マンション地下 | 高い | スロープ・排水ポンプ依存 |
| 商業施設地下 | 高い | 規模が大きく出庫に時間 |
| 半地下 | 中〜高 | 道路より低い床面 |
| 機械式の地下ピット | 非常に高い | 最下段が地下深く水が抜けにくい |
| 屋外平面 | 低〜中 | 立地次第(低地は注意) |
| 立体(高層階) | 低い | 地上から離れ比較的安全 |
マンション地下駐車場
マンションの地下駐車場は、利便性が高い一方で水没リスクも高いタイプです。住民専用で台数も限られているため、排水ポンプの能力が日常使用に最適化されていることが多く、想定を超える豪雨では処理が追いつきません。
また、停電すると排水ポンプが止まる点も見逃せません。台風時は停電も同時に起こりやすく、ポンプが動かなくなった瞬間、地下は急速に水位を上げていきます。管理組合がどんな浸水対策(止水板・防水扉など)を備えているか、平時に確認しておくことをおすすめします。
商業施設の地下駐車場
ショッピングモールやオフィスビルの地下駐車場は規模が大きく、一見すると頑丈そうに見えます。しかし、規模が大きいということは、いざ避難するときに出庫待ちの渋滞が起こりやすいということでもあります。
大雨警報が出てから多くの利用者が一斉に車を出そうとすれば、スロープは長い行列に。その間にも水位は上がっていきます。買い物中に天候が急変したら、早め早めの判断が肝心です。
半地下駐車場
半地下駐車場は、床面が道路よりわずかに低い構造のものを指します。「完全な地下ではないから安心」と思われがちですが、ここも盲点です。床が道路より低ければ、道路にあふれた水は当然そちらへ流れ込みます。
段差がわずか数十センチであっても、冠水時にはその数十センチが致命的になります。半地下だからと油断せず、地下駐車場と同等のリスクがあると考えておきましょう。
機械式駐車場の地下ピット
水没リスクという観点で、もっとも注意が必要なのが機械式駐車場の地下ピットです。地上に見えている部分の下に、車を格納する深い穴(ピット)が掘られている構造を思い浮かべてください。
初心者ユーザー機械式の一番下の段に停めているんですが、これって危ないですか?
自動車専門家 Mr.K正直に言うと、もっとも危ない位置のひとつです。地下ピットは水が溜まると抜けにくく、しかも停電で機械が止まれば車を上げて出すこともできません。大雨予報のときは、できれば最下段は避けたいところです。
地下ピットは構造的に「水を溜める箱」になりやすく、いったん浸水すると排水に時間がかかります。さらに停電でパレットが動かせなくなれば、車は地下に閉じ込められたまま。機械式を利用している方は、この弱点を必ずチェックしてください。
屋外平面駐車場・立体駐車場との比較
比較のために、地下ではない駐車場も見ておきましょう。屋外の平面駐車場は、立地が低地でなければ水没リスクは相対的に低めです。ただし、河川沿いやアンダーパス近くの低地にある場合は油断できません。
立体駐車場の高層階は、地上から離れているため水没の心配はほとんどありません。もし近所に立体駐車場があれば、大雨時の「一時避難先」の有力候補になります。自分の生活圏に、どんな高い場所の駐車スペースがあるか。今のうちに見渡しておくと、いざというときの行動が早くなります。
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大雨前に車を避難させる判断基準チェックリスト
ここからは実践編です。「避難させるかどうか」は、雨が降り始めてから考えるのでは遅すぎます。判断材料をあらかじめ揃え、自分のなかに基準を作っておくことが何より大切です。次の4つを順番に確認していきましょう。
自宅・職場の浸水想定区域と想定浸水深をチェックする。
気象庁の危険度分布で、いま自分の地域がどの段階かを把握する。
スロープの傾斜・止水板の有無・排水ポンプの状況を平時に見ておく。
高台の駐車場・立体駐車場など、車の逃がし先を1〜2か所決めておく。
ハザードマップで浸水想定を確認する
最初にやるべきは、ハザードマップの確認です。国土交通省の「ハザードマップポータルサイト」や、お住まいの自治体が公開しているマップで、駐車場のある場所が浸水想定区域に含まれているかを調べましょう。
見るべきポイントは「想定浸水深」です。たとえば「0.5〜3.0m未満」と色分けされている地域なら、車の床面はもちろん、車内まで水に浸かる可能性があります。冷静に数字で見てみましょう。想定浸水深が車高に迫る数字なら、その駐車場は「大雨時に車を置いておくべきではない場所」だと判断できます。
気象庁「キキクル」で危険度をリアルタイム確認する
ハザードマップが「平時の備え」なら、気象庁の「キキクル(危険度分布)」は「いま動くべきか」を教えてくれるリアルタイムの道具です。浸水・洪水・土砂災害の危険度が、地図上で色分けして表示されます。
色が黄色から赤、さらに紫へと進んでいくほど危険度が高まります。車の避難を考えるなら、「赤」になる前、できれば「黄色」の段階で動き終えているのが理想です。赤や紫の段階では、外を移動すること自体が危険になっているからです。
車購入検討者赤になってから慌てて動けばいいと思っていました…。
自動車専門家 Mr.Kそれでは遅いんです。色が変わるのを待つのではなく、変わりそうな段階で先回りして動く。これが車も人も守るコツです。
駐車場入口の構造と排水設備を確認する
次に、自分が使っている駐車場そのものを観察します。晴れた日に、次の点をチェックしておきましょう。
- 入口スロープの傾斜は急か、道路との段差はどれくらいか
- 止水板や防水扉が設置されているか、すぐ使える状態か
- 排水溝・排水ポンプはどこにあり、停電時はどうなるか
- 過去に浸水したことがあるか(管理会社・管理組合に確認)
とくに止水板の有無は重要です。雨が降ってから「どこにしまってあるか分からない」では意味がありません。設置に何分かかるのか、誰が責任を持つのか。平時に確認しておけば、いざというときの判断が驚くほどスムーズになります。
避難先の候補を事前に決めておく
最後に、車をどこへ逃がすかです。避難させると決めても、行き先がなければ動けません。高台にある屋外駐車場、立体駐車場の高層階、近隣のコインパーキングなど、候補を1〜2か所、具体的に決めておきましょう。
ポイントは「混む前に着く」こと。大雨予報が出てから動く人は多く、安全な駐車場ほど早く埋まります。雨脚が強まる前、まだ落ち着いて運転できるうちに移動を終える――この余裕が、車と自分の身を守ります。
危険を感じたら車を取りに行かない ── 人命最優先の判断
ここで、この記事でもっとも強くお伝えしたいことを書きます。すでに雨が強まり、危険を感じる状況になったら、車を取りに地下へ行ってはいけません。車は買い直せますが、命は買い直せません。
「大切な愛車だから」「ローンがまだ残っているから」――その気持ちは痛いほど分かります。しかし、水が流れ込み始めた地下駐車場は、数分で人の命を奪う場所に変わります。判断を誤れば、車と一緒にあなた自身が地下に閉じ込められかねません。
地下駐車場への浸水は想像以上に速い
地下への浸水は、私たちが想像するよりはるかに速く進みます。スロープを流れ落ちる水は勢いがあり、いったん流れ込み始めると、床はあっという間に水で覆われていきます。
水深がわずか数十センチでも、流れがあれば人は足をとられて立っていられなくなります。さらに水圧でドアが開かなくなる、足元が見えず階段を踏み外す、といった危険も重なります。「車のドアを開けて乗り込む」という日常動作が、冠水時にはできなくなるのです。
初心者ユーザー水が来ても、走って車まで行けば間に合いそうな気もしますが…。
自動車専門家 Mr.Kその「間に合いそう」が一番危険なんです。流れ込む水の速さは想像以上で、戻ってこられなくなる恐れがあります。危ないと感じた時点で、車のことはきっぱり諦めてください。
「まだ大丈夫」と思う心理が一番危ない
災害時に人を危険へ向かわせるのが、「まだ大丈夫だろう」という心理です。専門的には「正常性バイアス」と呼ばれ、異常な事態を前にしても「自分は大丈夫」「いつも通りだ」と思い込んでしまう人間の傾向を指します。
「これまで水没したことがないから今回も平気」「ニュースで見るのは他人事」――こうした思い込みが、避難の判断を遅らせます。大雨のとき大切なのは、楽観ではなく「最悪を想定して早めに動く」姿勢です。空が暗くなり、雨音が強まり、スマホの警報が鳴ったら、それは「もう動くべき」というサインだと受け止めてください。
車の避難は「安全に動けるうち」だけ。少しでも危険を感じたら、車は諦めて自分の身の安全を最優先してください。これは何度でも強調したい、絶対のルールです。
地下駐車場で車が水没してしまったら ── やってはいけないこと・やるべきこと
万全の備えをしていても、水没してしまうことはあります。ここで大切なのは、その後の対応を誤らないことです。水没車には、火災や感電につながる危険が潜んでいます。結論を先に言えば「自分でエンジンをかけない・触りすぎない」が鉄則です。
絶対にやってはいけないNG行動
水が引いた後、つい「動くか確かめたい」とエンジンをかけたくなりますが、これは絶対にやめてください。水没した車のエンジンをかけると、エンジン内部に入った水でエンジンが致命的に壊れたり、電気系統がショートして発火したりする危険があります。
- エンジンをかけない……ショート・発火・エンジン破損の原因に
- キーを回さない・電装品を操作しない……通電で発火の恐れ
- EV・ハイブリッドの高電圧部に触れない……感電の危険
- 濡れた車内に長居しない……汚水による衛生面のリスクも
水没後にやるべきこと
では、何をすればよいのか。落ち着いて、次の順番で動きましょう。
無理に近づかず、浸水の高さや状態をスマホで写真に残す(保険請求の証拠になる)。
加入している任意保険の窓口へ連絡し、指示を仰ぐ。自分で動かさないことを伝える。
自走させず、専門業者に運んでもらう。保険のロードサービスが使える場合が多い。
プロの診断をもとに、修理費と車の価値を比べて方針を決める。
写真の記録は地味ですが大切な作業です。浸水の高さが分かる写真は、後の保険手続きで役立ちます。ただし、これも安全が確保できる範囲で。危険な場所に近づいてまで撮る必要はありません。
車両保険で水没は補償されるのか ── 大雨前に確認すべき保険のポイント
「水没したら保険でなんとかなる」と思っている方は多いのですが、ここにも盲点があります。水没が補償されるかどうかは、加入している車両保険のタイプによって変わります。維持費とあわせて、保険の中身は必ずチェックしてください。
車両保険の「一般型」と「エコノミー型」の違い
車両保険には大きく分けて「一般型」と「エコノミー型(車対車+限定A など)」があります。一般的に、台風や洪水による水没はどちらのタイプでも補償対象に含まれることが多いとされていますが、商品や特約によって条件は異なります。
| タイプ | 補償範囲の傾向 | 水没(台風・洪水) |
| 一般型 | 幅広い(自損なども) | 対象になることが多い |
| エコノミー型 | 限定的 | 対象になることが多いが要確認 |
| 車両保険なし | 自車の損害は対象外 | 補償されない |
大切なのは、ご自身の契約内容を「事前に」確認しておくことです。証券を見ても分かりにくければ、保険会社や代理店に「台風で水没した場合、補償されますか」と直接聞いてしまうのが確実です。冷静に数字で見てみましょう――いざというときに「対象外でした」では取り返しがつきません。
車購入検討者そもそも車両保険に入っているか、すぐには思い出せないかも…。
自動車専門家 Mr.Kそれなら今この瞬間に証券を確認しておきましょう。大雨シーズン前のいまが、見直しのベストタイミングです。
水没で全損になった場合の補償
水没で車が「全損」と判断された場合、受け取れる保険金は契約時に設定した車両保険金額(時価相当)が上限になります。新車価格がそのまま戻ってくるわけではない点に注意が必要です。
とくに年式が古い車は時価が下がっているため、設定金額も小さくなります。買い替え費用との差額が出る可能性もあるので、「全損になったらいくら戻るのか」を把握しておくと、その後の選択がしやすくなります。
保険金請求の流れ
水没時の保険金請求は、おおむね次の流れで進みます。事故受付→必要書類の提出→損害調査(鑑定)→保険金額の確定→支払い、という順序です。先ほど触れた「浸水の高さが分かる写真」や、被害状況のメモがここで活きてきます。
手続きには時間がかかることもあるため、連絡は早めに。分からないことは遠慮なく保険会社に質問し、指示に従って進めるのが、結局いちばん近道です。
プレミアムカー・EV/PHEVオーナーが知っておくべき水没リスク
高級車やEV・PHEVに乗っている方は、一般的な車以上に水没リスクへの備えが重要です。理由は、修理費が高額になりやすく、また電動車特有の注意点があるためです。
輸入車・高級車は修理費が高額になりやすい
輸入車や高級車は、電子制御パーツが多く、部品単価も高い傾向にあります。水没で電装系がダメージを受けると、交換部品が高額になり、修理費が車両価格に迫ることも珍しくありません。維持費は必ずチェックしてください――購入時だけでなく「もしものとき」の修理コストまで含めて考えるのが、プレミアムカーオーナーの賢い姿勢です。
だからこそ、高級車ほど「大雨前に安全な場所へ動かす」ことの価値が大きくなります。数万円のコインパーキング代で、数百万円のリスクを避けられるなら、決して高い出費ではありません。冷静に数字で見てみましょう。
EV・PHEVの水没時の注意点
EVやPHEVは大容量の駆動用バッテリーと高電圧システムを搭載しています。水没した電動車に不用意に触れると、感電の危険があります。これは何より優先すべき注意点です。
初心者ユーザーEVが水に浸かったら、触っても感電するんですか?
自動車専門家 Mr.K可能性はゼロではありません。だから水没したEV・PHEVには絶対に手を出さず、メーカーや専門業者の指示を待ってください。オレンジ色の高電圧ケーブルには特に近づかないことです。
水没したEV・PHEVは、自分で動かそうとせず、必ずメーカーの相談窓口や専門業者に連絡してください。各メーカーは公式サイトで水没・冠水時の対処法を案内していることが多いので、平時にお手持ちの車の案内を確認しておくと安心です。
水没リスクに備えて今すぐできること ── 事前準備まとめ
ここまでの内容を、行動に移しやすい形でまとめます。水没対策は「知っている」だけでは意味がありません。「準備してある」状態にして、はじめて車と命を守れます。
大雨シーズン前にやっておくチェックリスト
- ハザードマップで駐車場の浸水想定を確認した
- キキクルの使い方を覚え、ブックマークした
- 避難先の駐車場を1〜2か所決めてある
- 車両保険の水没補償の有無を確認した
- 駐車場の止水板・排水設備の場所を把握した
台風・大雨予報が出たときの行動フロー
予報が出てから当日までの動きを、時系列で押さえておきましょう。
台風の進路・雨量予報をチェックし、避難させるかの心づもりをする。
避難先を確保し、給油を済ませておく。家族と段取りを共有する。
キキクルが「黄色」になる前に、安全なうちに車を避難先へ動かす。
すでに危険なら車は諦め、自分の安全確保を最優先にする。
この4ステップを頭に入れておくだけで、いざというときの迷いが大きく減ります。「動くなら早めに、危なくなったら諦める」――シンプルですが、これが鉄則です。
水没車を手放すことになったら ── 売却・廃車の選択肢
備えていても、残念ながら車が水没してしまうことはあります。修理費が車の価値を上回るような場合、手放すという選択も現実的です。「水没した車に値段なんてつかない」と諦めてしまう方もいますが、ここも盲点です。冷静に数字で見てみましょう。
水没車や不動車でも、部品取りや海外輸出などのルートがあるため、専門の買取業者なら値段がつくことがあります。まずは複数の選択肢を知り、比べることが大切です。
水没・不動車に強い買取を活用する
水没してエンジンがかからない、自走できないといった車は、一般的な中古車買取では敬遠されがちです。そんなときに頼りになるのが、廃車・事故車・不動車の買取に特化したサービスです。
たとえばカーネクストは、廃車・事故車・不動車の買取を専門に扱っており、動かない車でも相談できます。レッカー手配や廃車手続きまで任せられるケースが多く、水没で途方に暮れているときの選択肢になります。「もう値段はつかないだろう」と決めつける前に、一度問い合わせてみる価値はあります。
買い替えなら一括査定で相場を把握する
水没を機に車を買い替えるなら、いま乗っている車(または別の手放す車)の価値を正確に知っておきたいところです。1社だけの査定では相場が分からず、安く手放してしまう恐れがあります。
複数社の査定額を比べたいなら、カービューのような一括査定を使うと、まとめて見積もりを取れて相場感がつかめます。冷静に数字で比較してから判断すれば、後悔のない手放し方ができます。維持費とあわせて、売却額もしっかりチェックしてください。
車購入検討者水没した車でも、まず相談だけしてみてもいいんですね。
自動車専門家 Mr.Kはい。査定や相談は無料のことが多いので、選択肢を知るために動いてみるのは賢い判断です。比べてから決めれば損をしにくくなります。
まとめ ── 地下駐車場の車を守るために大切なこと
最後に、この記事の要点を振り返ります。地下駐車場は台風・大雨で水没するリスクが現実にあり、その判断は「雨が降る前」にしておくべきものでした。
- 地下・半地下・機械式ピットは水没リスクが高い。川がなくても内水氾濫に注意
- ハザードマップとキキクルで、平時とリアルタイムの両面から備える
- 避難させるなら「安全に動けるうち」に。混む前・危険になる前に動き終える
- 危険を感じたら車は諦める。命より大切な車はない
- 水没車はエンジンをかけず、保険・専門業者に連絡。手放す選択肢もある
もっとも大切なメッセージを、最後にもう一度だけ。車は買い直せても、命は買い直せません。大雨前の備えは、愛車を守るためであると同時に、あなた自身と大切な人を守るためのものです。
次の台風が来る前に、ぜひ今日のうちにハザードマップを開き、保険証券を確認し、避難先を一つ決めておいてください。その小さな一手間が、いざというときの大きな後悔を防ぎます。
よくある質問(FAQ)
- 地下駐車場は、どのくらいの雨で水没する危険がありますか?
-
明確な「何ミリで水没」という線引きはありません。排水設備の能力や立地、スロープの構造によって変わるためです。ただし、短時間に集中する豪雨(ゲリラ豪雨・線状降水帯)は内水氾濫を起こしやすく、地下は危険度が高まります。雨量だけで判断せず、ハザードマップとキキクルを併用して総合的に見ることをおすすめします。
- 川が近くにないマンションでも、地下駐車場は水没しますか?
-
はい、可能性はあります。川の氾濫(外水氾濫)がなくても、下水道の処理能力を超える雨で地表に水があふれる「内水氾濫」が起こり得ます。とくに舗装された都市部では雨水が地面に染み込みにくく、低い地下へ水が集中しやすいのが特徴です。川の有無だけで安全とは判断しないでください。
- 車を避難させるかどうかは、いつ判断すればよいですか?
-
雨が強まる「前」が原則です。台風や大雨の予報が出た数日前から心づもりをし、前日までに避難先を確保しておきましょう。実際に動くのは、安全に運転できるうち。気象庁のキキクルが「黄色」になる前に移動を終えるのが理想です。雨脚が強まり危険を感じる段階では、車より自分の安全を優先してください。
- 水没した車のエンジンは、かけても大丈夫ですか?
-
絶対にかけないでください。水没した車のエンジンをかけると、内部に入った水でエンジンが致命的に壊れたり、電気系統がショートして発火したりする危険があります。キーを回す・電装品を操作するのも避け、まずは保険会社や専門業者に連絡して指示を仰ぎましょう。とくにEV・PHEVは感電の危険があるため、高電圧部には触れないでください。
- 台風で水没した場合、車両保険は使えますか?
-
一般的に、台風や洪水による水没は車両保険(一般型・エコノミー型のいずれも)で補償対象になることが多いとされています。ただし、商品や特約によって条件は異なり、車両保険に未加入であれば自車の損害は補償されません。大雨シーズン前に、ご自身の契約内容を保険会社や代理店に確認しておくと安心です。
- 水没してしまった車は、売却できますか?
-
売却できる場合があります。水没車や不動車でも、部品取りや海外輸出などのルートがあるため、廃車・事故車・不動車の買取に特化した業者なら値段がつくことがあります。買い替えを考えるなら、一括査定で複数社の見積もりを比べると相場をつかみやすくなります。「値段はつかない」と決めつけず、まずは相談してみることをおすすめします。
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