フェラーリが電気自動車を作る。
その一報を聞いたとき、あなたはどんな感情を抱きましたか。「ついに来たか」と胸が高鳴った方もいれば、「V12の咆哮が消えてしまうのか」と少し切なくなった方もいるかもしれません。あるいは「本当にフェラーリが作るEVって、フェラーリなのか?」という素直な疑問を持った方も多いでしょう。
私(Mr.K)は自動車メディアを10年以上運営してきましたが、フェラーリの電動化ほど「喜びと戸惑いが同居する」ニュースはありませんでした。フェラーリのエンジンが奏でるあの音——V12が高回転域でうなりを上げる瞬間——は、単なるメカニズムではなく、乗り手の血を沸かせるブランドの魂そのものです。それが電動化によって変わろうとしている。
ただ、冷静に数字と事実を追ってみると、フェラーリの電動化は「魂の喪失」ではなく、「新たな次元への挑戦」として見えてきます。この記事では、フェラーリの電気自動車をめぐる現状・スペック予測・感性価値の変化・所有の現実・そして「今どれを選ぶべきか」という購入判断まで、プレミアムカーオーナーとして本当に知っておくべき情報を整理していきます。
この記事でわかること!
- フェラーリの電動化ロードマップと現在地(PHEV → 完全EV)の全体像
- フェラーリ初の完全電気自動車の概要・スペック予測・価格帯(現時点の情報)
- EV化でフェラーリらしさ(走り・音・官能性)はどう変わるか
- 内燃機関・PHEV・EVフェラーリ——今あなたに合うのはどれか、判断軸の整
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フェラーリはなぜ電気自動車を作るのか|ブランドの「決断」を読み解く

まず前提として確認しておきましょう。フェラーリは「環境対応のためにしぶしぶEVを作る」メーカーではありません。もちろん欧州の環境規制(EU内では2035年以降の新車ICE販売禁止の方針)は外圧として存在します。ただ、フェラーリがEV化を選んだ理由は、それだけではない。
フェラーリのCEO、ベネデット・ヴィーニャ氏(半導体業界出身の技術者)は繰り返しこう言っています。「フェラーリにとって電動化は、性能を妥協するためではなく、性能の新しい次元を開くための技術である」と。
自動車専門家 Mr.Kフェラーリが電気自動車を作る動機は、規制対応だけではありません。電動モーターの瞬発的なトルクを使えば、内燃機関だけでは不可能な加速・コーナリング制御が実現できる。SF90 Stradalのような最新PHEVを見ると、すでにその片鱗が見えています。
そのシンボルとなるのが、2023年10月にマラネロで完成した「Eビルディング(E-Building)」です。フェラーリが電動車専用に建設したこの製造棟は、投資額200億円超。内部では電動パワートレインの組み立てから最終検査まで一貫して行われます。これは単なるアピールではなく、フェラーリが電動化に本気の証です。
2022年のCapital Markets Day(投資家向け説明会)でフェラーリが示した電動化ロードマップは明確でした。2030年までに新車販売の約40%を完全EV、約20%をPHEV(プラグインハイブリッド)に移行する計画です。残りの40%は引き続き内燃機関(ICE)モデルを維持するとされており、「すべてのフェラーリがEVになる」わけではありません。この点は非常に重要で、フェラーリが内燃機関の美学を完全に切り捨てるつもりがないことを示しています。
フェラーリの電動化モデル一覧|PHEVから完全EVまで、今の全体像
「フェラーリの電気自動車」と聞くと、まだ登場していない未来のモデルをイメージする方が多いかもしれません。しかし実際には、フェラーリの電動化は10年以上前からすでに始まっています。まずは現在に至る流れを整理しましょう。
フェラーリが歩んできた電動化の歴史
フェラーリの電動化の原点は、2013年に登場したLaFerrariです。価格は約1億4,000万円(当時)、生産台数はわずか499台。V12エンジン(800ps)にHYESモーターシステム(163ps)を組み合わせた「ハイブリッドスーパーカー」として、電動化技術をブランドの最先端に位置づけました。エンジン単体ではなく電動モーターとの協調によって963psという想像を超える出力を実現したこの一台が、フェラーリの電動化哲学の起点です。
そこから約6年後の2019年、フェラーリは初の量産PHEVモデルとしてSF90 Stradaleを発表。その後2021年には296 GTBが登場し、「フェラーリの電動化」は一部の限定車から通常ラインアップへと拡大しました。
SF90 Stradale・296 GTBに学ぶ「フェラーリのPHEV哲学」
フェラーリのPHEVモデルを理解することは、これから登場するフェラーリEVを理解するための必須ステップです。
| モデル | SF90 Stradale | 296 GTB |
| エンジン | V8 ツインターボ(780ps) | V6 120° ツインターボ(663ps) |
| 電動モーター | 3基(前2基+後1基) | 1基(後輪) |
| システム出力 | 986ps(725kW) | 830ps(610kW) |
| 0-100km/h | 2.5秒 | 2.9秒 |
| EVモード航続距離 | 約25km | 約25km |
| 新車価格(参考) | 約5,600万円〜 | 約4,200万円〜 |
注目すべきは、これらのPHEVが「電気自動車的な省エネ走行」を目的としていないことです。SF90 Stradalにおける前輪2基の電動モーターは、フロントアクスルのトルクベクタリング(左右輪への駆動力配分制御)のために存在します。つまり、電動化は燃費向上のためではなく、コーナリング性能向上のために使われているのです。
車購入検討者フェラーリのPHEVって、電動部分はエコのためじゃないんですね!
自動車専門家 Mr.Kそうなんです。フェラーリの場合、電動モーターはあくまで「走行性能をさらに高める道具」として使われています。PHEVでありながら、ドライバーの体験を一切損なわない。それがフェラーリらしさの継承です。
フェラーリ初の完全電気自動車とは何か|最新情報を整理する
その気持ち、よくわかります。実際、私も最初はまったく同じ不安がありました。
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いよいよ本題です。フェラーリが「完全電気自動車(BEV)」として開発・発売するモデルについて、現時点で確認されている情報と、各メディアの予測・推測情報を整理します。
重要な前置きとして:フェラーリは発売前の車両スペックや詳細を公式に公表することを極めて控える傾向があります。以下の情報には、公式発表済みの情報と報道・推測ベースの情報が混在します。それぞれの確度を明示しながら解説します。
フェラーリが発表した電気自動車計画の全貌
2022年6月のCapital Markets Dayにおいて、フェラーリは「2025年に完全電動車(BEV)を発売する」と正式に発表しました(出典:Ferrari N.V. Capital Markets Day 2022)。これは現時点で公式確認された事実です。
各自動車メディア(Autocar Japan・Motor Trend等)の報道によれば、フェラーリの完全EVは以下の方向性が予測されています。
- 車両クラス: GTカー(グランドツーリング)系。2+2または4シーター構成との観測(※予測)
- 生産拠点: マラネロのEビルディング(公式確認済み)
- 発売時期: 2025年〜2026年(公式発表では「2025年」だが、延期の可能性も報道あり)
- 価格帯: 5,000万〜1億円以上(現行PHEVモデル比較からの推算。未公式)
- 日本導入時期: 正式発表から数ヶ月後の見通し(未確定)
注目すべき動きが2024年に入ってありました。フェラーリが「電動車向けの音響発生装置」に関する特許を出願していることが明らかになっています。これは、エンジン音のない完全EVにおいても「フェラーリらしいサウンド体験」を提供することを意図した設計です。
フェラーリEVに予想されるスペック・航続距離・充電性能
以下はあくまで各メディアの予測・推測値であり、公式スペックではありません。参考情報として扱ってください。
フェラーリEV 予測スペック詳細(クリックして展開)
【予測値・未公式情報】
- 最高出力: 1,000ps超(複数電動モーター構成)
- 0-100km/h加速: 2.0秒以下(超高性能EV水準)
- 航続距離: 400〜600km(EVの特性上、走行モードにより大きく変動)
- 充電: 800V急速充電対応(ポルシェ タイカン同様の技術が予測される)
- 充電時間: 急速充電で20〜30分程度(80%まで)
- 車重: 2,000kg前後(バッテリー搭載により重量増は避けられない見通し)
※上記はAutocar・Motor Trend・CARトップ等の報道をもとにした推測値です。公式発表が出た際には必ず最新情報を確認してください。
車重の問題は避けて通れません。現行のSF90 Stradalでも車重は1,570kgありますが、大容量バッテリーを搭載するEVでは2,000kgを超える可能性があります。フェラーリが誇るコーナリング性能への影響をどう克服するか——この点がフェラーリEVの最大の技術的チャレンジの一つです。
「フェラーリらしさ」はEVで残るのか|感性価値の行方を冷静に考える

この問いに正直に向き合いましょう。多くの読者が最も聞きたいのは、スペックや価格ではなく「フェラーリがEVになったとき、あの感動は残るのか」という点のはずです。
フェラーリを所有することの喜びの核心には、エンジンが奏でる音と振動があります。V12が9,000rpmに達したときの咆哮、V8ターボの迫力ある排気音。あれは単なる騒音ではなく、ドライバーと機械が対話する「言語」のようなものです。それがEVになると消えてしまう——この不安は、フェラーリを愛する者として至って正当な感情です。
初心者ユーザーフェラーリがEVになったら、静かすぎてつまらなくなりませんか?
自動車専門家 Mr.Kその懸念は理解できます。ただ、フェラーリはすでに特許で「EV向け音響システム」の開発を進めています。また、電動モーターの高周波音は意外と「未来的なスポーツカーの音」として成立する可能性もある。完全な沈黙のEVになるとは限らないんです。
一方で、EVならではの「新たな感動」の可能性も現実としてあります。
瞬間トルクの衝撃: EVは発進の瞬間から最大トルクを発揮します。ポルシェ タイカン ターボS(市販EV)がすでに0-100km/h 2.4秒を実現しているように、フェラーリEVが2.0秒以下の加速を実現した場合、「アクセルを踏んだ瞬間に空間が歪む」ような感覚は内燃機関では体験できないものになります。
電動モーターによるトルクベクタリングの精密さ: SF90 Stradalですでに実証されているように、電動モーターは内燃機関よりも圧倒的に精密なトルク制御が可能です。完全EVになることで、この制御はさらに高度化します。コーナーを抜けるときの挙動の精密さ、ドライバーの意図への反応速度——これはEVでしか実現できない次元に到達する可能性があります。
ただし、正直に申し上げると:V12・V8の音と振動がもたらす官能的な体験は、EVでは代替できません。フェラーリがどれほど優れたサウンドシステムを開発しても、内燃機関の咆哮を人工的に再現することへの違和感を感じるオーナーは一定数いるはずです。この点を「大丈夫」と断言することは、私にはできません。
フェラーリという存在が「感性に訴えるモノ作り」を最上位に置くブランドである以上、EVモデルが登場してもICEモデルはしばらく継続されます(フェラーリ自身が2030年時点で40%のICE維持を明言)。「音と振動を求めるなら内燃機関を選ぶ」「新次元の速さと精密さを求めるならEVを選ぶ」——これが近未来のフェラーリの選び方になるのかもしれません。
フェラーリ電気自動車の「所有の現実」|維持費・充電・保険を整理する
夢と感性の話だけでは、プレミアムカーの判断材料としては不十分です。「維持費は必ずチェックしてください」——これは私が常に言い続けてきた言葉です。フェラーリEVを所有するとき、現実的にどんな準備が必要で、どんなコストが発生するのかを整理します。
充電環境とガレージ整備
フェラーリEVを所有する最初の関門が充電環境の整備です。これはフェラーリに限らず、すべての高額EVに共通する現実的な課題です。
自宅充電設備の整備費用: 200V / 3kW〜7kWの普通充電器(EVSE)を自宅ガレージに設置する場合、工事費込みで10万〜30万円程度が目安です。フェラーリオーナーが想定するような専用ガレージであれば、100Vコンセントからの充電では実用上苦しく、専用の200V工事は必須と考えてください。
ただし、フェラーリEVが800V急速充電に対応した場合、30分未満での充電(80%まで)が可能になります。週末ドライブのみの使用であれば、平日に自宅で普通充電しておけば十分という使い方が成立します。
問題は長距離ドライブ時です。800V急速充電対応のインフラはe+(イーネット)やEV急速充電スタンドで整備が進んでいますが、地方や山間部では依然として不足しています。フェラーリのドライビングプレジャーは「峠道」「山岳ルート」にあることが多く、充電スタンドが少ないエリアでの使用シナリオは事前にルートを確認しておく必要があります。
バッテリー劣化・メンテナンスコスト
「バッテリーが劣化したらどうなるのか」——これは超高額EVを購入する際の最大の懸念事項の一つです。
一般的に、リチウムイオンバッテリーの容量は年間1〜3%程度低下します。10年後には20〜30%の容量低下が見込まれます。フェラーリの場合、他の量産EV(テスラ・ポルシェ等)と比較して使用頻度が低いことが多く(週末のみ使用、低年間走行距離)、劣化速度は比較的緩やかになる可能性があります。
問題はバッテリー交換費用です。テスラ Model Sのバッテリーパック交換費用が200〜300万円程度とされていることを考えると、フェラーリEVのバッテリー交換費用は500万円以上になる可能性も十分考えられます。これは維持費計画に織り込んでおくべきコストです。
自動車専門家 Mr.Kここが意外と盲点なんですよ。フェラーリのような超高額EVのバッテリー交換費用は、まだ誰も経験したことのない領域です。ガソリン車のエンジンオーバーホールと同様に考えると、「数百万円のコストが将来発生する可能性がある」と念頭に置いた上で購入を検討することをお勧めします。
税金・保険・維持費のシミュレーション
EVとしての優遇措置と、フェラーリという高額車ならではのコストが交差します。
| 費用項目 | フェラーリEV(予測) | フェラーリICE比較参考 |
| 自動車税(年間) | グリーン化特例で免除または減税(2026年度以降の制度改正に注意) | 排気量により36,000〜111,000円 |
| 重量税(車検時) | EV優遇(免除または低減) | 車重により変動 |
| 燃料費(年間) | 電気代:年間約3〜8万円(年5,000km走行想定) | ガソリン代:年間約20〜40万円(同条件) |
| 任意保険(年間) | 車両価格5,000万〜1億円超:50〜150万円程度 | 同程度(車両価格に比例) |
| 定期メンテナンス | 油脂類費用は大幅減少。ブレーキパッド長寿命化の傾向あり | エンジンオイル等で年間20〜30万円以上 |
| バッテリー保証 | 一般的に8年/16万km程度(詳細未確定) | - |
日本での購入補助金については注意が必要です。現行の「クリーンエネルギー自動車補助金」は車両価格が850万円以上のEVは対象外となっています(2024年時点)。フェラーリEVが5,000万円以上の車両価格になる場合、補助金の恩恵は受けられないと考えておく方が現実的です。
フェラーリEVのリセールバリューと資産性|投資として見た場合の評価

フェラーリは「走る資産」として認知されているブランドです。F40・F50・LaFerrari・エンツォ フェラーリなど、過去の限定モデルが新車価格の何倍〜何十倍にも値上がりしたことは、コレクターの間ではよく知られた話です。では、電気自動車化によってこの資産性はどう変わるのでしょうか。
初期限定モデルとしての希少性プレミアム: フェラーリの完全EV第一弾は、間違いなく歴史的な節目となります。「フェラーリ初のEV」という希少性は、単なるスペックを超えた文化的・歴史的価値を持ちます。過去のフェラーリ限定モデルの事例を見れば、初期生産モデルが時間を経てプレミアム価格になる可能性は十分あります。
ただし、EV固有のリスクも存在します。バッテリーの劣化は中古市場での価格に直接影響します。内燃機関フェラーリの場合、エンジン状態の確認は比較的容易ですが、EVのバッテリー劣化状態の評価は現在の中古車市場では標準化されていません。将来の中古フェラーリEV市場では「バッテリー残存容量証明」が重要な価値指標になる可能性があります。
また、EV技術の進化スピードは内燃機関よりも速く、「5年後の新型EVの方が圧倒的に優れている」という状況が生じやすい。テスラが経験したように、急速な技術革新はEV中古車の価格下落を加速させる可能性があります。フェラーリブランドの希少性がこのリスクを相殺できるかどうか——これは今の時点では断言できません。
自動車専門家 Mr.K車は感情だけで買うと後悔します。フェラーリEVを投資・資産として評価するなら、「フェラーリというブランドの希少性」と「EV固有のバッテリー劣化リスク」の両面を冷静に見てほしい。現時点では、判断材料が揃いきっていないのが正直なところです。
内燃機関・PHEV・EV、フェラーリを選ぶなら今どれを選ぶべきか
この記事の核心です。「フェラーリ 電気 自動車」で検索した多くの方が本当に知りたいのは、「自分は今どれを選べばいいのか」ではないでしょうか。3つの選択肢を整理します。
内燃機関フェラーリ(ICE)を今選ぶべき人
- V12・V8のエンジン音・振動・機械的官能性をフェラーリに求めている
- 充電インフラの制約なしに、どこへでも自由に走りたい
- フェラーリ 12Cilindri・Portofino M・Roma等のICEモデルに強い愛着がある
- EV化前の「最後の純粋なフェラーリ」として歴史的価値を期待している
今後フェラーリのICEラインアップは徐々に縮小していく可能性があります。現在のICEモデルを手に入れておくことは、「電動化以前のフェラーリ」を所有するという意味で、将来的に希少価値を持つ可能性があります。
PHEVフェラーリ(SF90 / 296シリーズ)を今選ぶべき人
- フェラーリの電動化技術をすでに体験したい・最新テクノロジーに関心がある
- エンジン音は残しつつ、電動モーターによる爆発的な加速性能も楽しみたい
- 完全EVが登場するまでの「最高の過渡期モデル」として現在最先端を手に入れたい
- EVモードで静かに移動する場面と、エンジン全開の走りを使い分けたい
私個人の見立てでは、SF90 Stradalと296 GTBはフェラーリの電動化史において最も「美しい過渡期モデル」です。内燃機関の魂と電動技術の性能が高いレベルで融合している。EVが登場した後も、「あの時代のベスト」として価値を保ち続ける可能性が高い一台です。
EVフェラーリを待つべき人・待つ際の注意点
- フェラーリに電動車としての最先端技術と圧倒的な加速性能を求めている
- 「フェラーリ初のEV」という歴史的節目のモデルをファーストオーナーとして手に入れたい
- 環境・サステナビリティへの配慮をライフスタイルに取り込みたい
- 充電インフラを含む所有準備を今から整えられる環境がある
待つ際の注意点: フェラーリEVの受注は、発表と同時にウェイティングリストが埋まる可能性が高い。「発売を見てから決める」では、実際に手に入るまでに数年待つことになりかねません。フェラーリの購入チャンネルを持つディーラーとの関係構築を今から進めておくことが重要です。
フェラーリEVと競合スーパーEVを比較する
フェラーリEVを評価する際の参照点として、同クラスの競合EVとの比較は欠かせません。現時点での主要な競合・参考モデルを整理します。
| モデル | ポルシェ タイカン ターボS | リマック Nevera | ランボルギーニ ランザドール | フェラーリEV(予測) |
| 最高出力 | 761ps | 1,914ps | 1,340ps(予測) | 1,000ps超(予測) |
| 0-100km/h | 2.4秒 | 1.97秒 | 2.5秒以下(予測) | 2.0秒以下(予測) |
| 航続距離 | 約350〜560km | 約490km | 未公式 | 400〜600km(予測) |
| 価格(参考) | 約2,400万円〜 | 約2億6,000万円 | 未発表 | 5,000万〜1億円超(予測) |
| 状態 | 現在販売中 | 限定生産・ほぼ完売 | 2028年予定 | 2025〜2026年(予定) |
この比較で見えてくるのは、フェラーリEVが「スーパースポーツEVの上位クラス」に位置する可能性が高いという点です。ポルシェ タイカンの「日常使い可能なスポーツEV」と、リマック Neveraの「圧倒的ハイパーEV」の中間に位置し、「フェラーリブランドのスーパースポーツEV」として独自のポジションを確立するでしょう。
フェラーリ電気自動車を購入する前に確認すべき7つのこと
フェラーリEVへの関心が高まったところで、実際に購入・検討を進める方に向けた実践的なチェックリストをお伝えします。
フェラーリの購入は「ディーラーとの長期的な信頼関係」が前提です。EV第一弾の受注が始まる前に、認定フェラーリディーラーとの接点を持っておきましょう。特に初期限定モデルは、既存オーナー・長期的なリレーションシップのあるお客様が優先される傾向があります。
200V充電設備の設置可否・費用・電気工事の手配を確認してください。マンション・集合住宅の場合は管理組合との協議が必要なケースもあります。ガレージ電源の整備は、EV購入前に済ませておくのがベストです。
車両価格が5,000万〜1億円超になる場合、すべての保険会社が対応しているわけではありません。超高額EVに対応した保険プランを扱う保険会社・ブローカーを事前に探しておきましょう。保険料の目安を把握することは、年間維持費計算にも必要です。
完全EVフェラーリの前に、SF90 Stradalまたは296 GTBの試乗を強くお勧めします。電動モーターを活用したフェラーリの走りを体験することで、「自分がフェラーリの電動化に何を求めているか」が明確になります。試乗せずに判断するよりも、はるかに解像度の高い決断ができます。
購入時に、バッテリー保証期間・保証内容・バッテリー劣化時の対応についてディーラーから明確な説明を受けてください。「保証があるから大丈夫」ではなく、保証の範囲外となるケース(使用環境・充電回数等)についても確認することが後悔を防ぎます。
フェラーリEVのスペック・価格・発売時期は今後変わる可能性があります。フェラーリ公式サイト(ferrari.com)、認定ディーラーのニュースレター、Premium Cars Lifeの最新情報をフォローすることで、判断に必要な情報をタイムリーに入手できます。
よくある質問(FAQ)
- フェラーリの電気自動車はいつ日本で発売されますか?
-
フェラーリは2022年のCapital Markets Dayで「2025年に完全EV(BEV)を発売する」と発表しました。日本への導入は正式発表から数ヶ月後になる見込みですが、具体的な時期は未確定です。延期の可能性を含め、フェラーリ公式・認定ディーラーの最新情報をご確認ください。
- フェラーリEVの価格はいくらになりますか?
-
公式価格は未発表です。現行PHEVモデル(SF90 Stradale:約5,600万円〜)との比較や、各メディアの予測から5,000万〜1億円以上の価格帯になる可能性が高いと見られています。ただし公式発表が出るまでは推測の域を出ません。
- フェラーリEVはエンジン音がしないのですか?
-
完全EVですのでエンジン音は発生しません。ただしフェラーリは「電動車向け音響発生装置」の特許を出願しており、サウンドデザインによる走行音の演出が計画されている可能性があります。電動モーター自体も独特の高周波音を発するため、完全な無音にはならないでしょう。ただし、V12・V8の内燃機関が生み出す音とは根本的に異なります。
- 現行のPHEVフェラーリとEVフェラーリは何が違いますか?
-
最大の違いはエンジンの有無です。SF90 Stradale・296 GTBなどのPHEVはガソリンエンジン+電動モーターの組み合わせで、エンジン音・振動があり、ガソリンスタンドで給油できます。完全EVはバッテリーと電動モーターのみで走行し、充電が必要です。航続距離・充電インフラの課題と引き換えに、より大きなEVトルクと車外排気ゼロというメリットが得られます。
- フェラーリEVのリセールバリューは高いですか?
-
「フェラーリ初のEV」という歴史的希少性は資産性にプラスに働く可能性があります。一方で、バッテリー劣化・EV技術の急速な進化という中古市場でのマイナス要因も存在します。現時点では断言できませんが、初期限定モデルとしての希少性と、フェラーリブランドの価値がEVリスクをある程度相殺する可能性は高いと見ています。
まとめ|フェラーリ電気自動車は「フェラーリ」たり得るか

この記事を書きながら、私は何度かこの問いを自分に投げかけました。「フェラーリがEVになっても、それはフェラーリなのか?」
答えは、おそらく「Yes」でも「No」でもありません。
V12エンジンの咆哮を愛するオーナーにとって、サウンドが変わったEVは「あのフェラーリ」ではないかもしれません。その感覚は完全に正当です。一方で、フェラーリが電動化を経て到達する「次元の違う加速・精密なコーナリング制御・新しいデザイン言語」を愛する人にとっては、EVフェラーリもまた紛れもなく「フェラーリ」になるはずです。
重要なのは、フェラーリはすべてをEVに置き換えようとしているわけではないことです。2030年時点でもラインアップの40%はICEモデルが残ります。フェラーリという会社は「官能的な走りを作る」というDNAを捨てようとしているのではなく、そのDNAを電動化という新しいメディアで表現しようとしている。
大切なのは「EVだから良い・悪い」と決めつけることではありません。
あなたはフェラーリに何を求めていますか?
その問いに正直に向き合ったとき、内燃機関を選ぶべきか、PHEVを選ぶべきか、EVを待つべきかが自ずと見えてくるはずです。フェラーリという圧倒的なブランドが、次の時代に向けて走り続けている——その事実は、どんな選択をしても変わりません。
最後に実践的なアドバイスをお伝えして締めくくります。フェラーリEVの詳細が明らかになる前に、今できることとして——まず現在お乗りの愛車の相場を把握しておくことを強くお勧めします。乗り換えのタイミングを最適化するためには、自分の資産(現在の愛車)の価値を正確に知っておくことが出発点です。カービューは複数の買取業者に一括で査定依頼ができ、相場確認が無料で行えます。
- フェラーリのEV化は環境規制への妥協ではなく、性能の新次元を開くための戦略的選択
- SF90 Stradale・296 GTBなど現行PHEVモデルはすでに電動化技術を高度に活用している
- 完全EV(BEV)の発売は2025〜2026年予定だが、スペック・価格・日本導入時期は未確定
- エンジン音・機械的官能性はEVでは代替できないが、電動ならではの新たな体験価値が生まれる
- 維持費・充電環境・バッテリー劣化リスクは購入前に現実的に確認すること
- ICE・PHEV・EV——フェラーリに何を求めるかで今選ぶべきモデルは変わる
13年超の車に乗っている方や中古車購入を検討中の方は、自動車税の重課制度も要確認です。
「廃止されるのか」「2026年改正で何が変わるのか」は、以下の記事で詳しく整理しています。

毎年5月に届く自動車税は、支払い方法によって手数料やポイント還元に差が出ます。2026年に少しでも損せず支払いたい方は、クレジットカード・スマホ決済・口座振替・コンビニ払いの違いを以下の記事で確認しておきましょう。

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だからこそ知っておいてほしいのですが、車の売却価格は「どれだけ情報を持っていたか」で大きく変わります。
同じ車・同じ年式でも、売り方ひとつで数十万円の差が出るのが現実です。
ただ、査定サービスにはそれぞれ特徴があります。
自分の目的に合った方法を選ぶことが、満足いく結果への近道です。
※申込み後に業者から連絡が届く仕組みです。不要な場合は「今回は見送ります。今後の連絡は不要です」と伝えれば問題ありません。
※すでに売却済みの方はスルーしてください。
